11月はお夕食に、
昭和の初めに当館を定宿とした島崎藤村が好んだ【とり鍋】をお出ししています。
藤村が湯河原で好んだ味は他にもあって、
お隣の老舗和菓子屋さん【小梅堂】さんに通っていたそうです。
大作「夜明け前」の構想を練ったり執筆の疲れを癒したりしていた…と
それだけ聞くとちょっと近寄りがたい気がいたしますが、
とり鍋の、温かさと滋養がしみじみと沁みいるようなスープを飲んだり
小梅堂さんのきび餅やかるかん饅頭を食べたりしていると
「藤村も同じ味を食べたのかなぁ」と考えて、
明治生まれの文豪が身近に感じられるように思います。
小梅堂さんのきび餅はご到着の際にお部屋でお出ししていますので、
お客さまが昔から今に続く時の流れを感じて
ゆったりした心地になってくだされば嬉しいです。 (写真は小梅堂さん(木曜定休)です。)
