昨夜の風雨で庭先の枝垂れ桜が見事に散りました。それはそれは潔いくらいに。
花盛りの絢爛さも見事ですが、池の水面に降り積もった沢山の花びらと、
それをかき分けて鯉が泳ぐ様子。この散り際の美しさもまた一興なのです。
「花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ」
中国唐代の漢詩をこのように訳したのは井伏鱒二。
いくばくかの寂寥感が胸中に滲むのを噛みしめながら、
またひとつ季節が進んだのだなぁと実感します。
また来年、見事な花を咲かせてくれますように。
(6代目修行中フロントY)
