昭和の初め、弊館には作家島崎藤村がしばしば訪れました。
大作「夜明け前」の執筆にあたり、
健康を保つための静養が目的だったと聞いています。
それがきっかけとなり、
先日藤村の縁者の方が訪ねて来てくださいました。
藤村ご夫妻が常宿として滞在されていた頃のこと、
お住まいだった大磯のお宅のことなど貴重なお話の数々、
そして後日資料もお送りくださいました。
私どもの知らないことをたくさん伺い、
以前よりも明治生まれの作家を身近に感じています。
弊館がこの町で歩んできた時間、
お客さまと紡いできた時間、そして文化財になった佇まいなど、
きちんと後生に伝えていきたいと思いを新たにするできごとでした。
